取らぬ狸社長の皮算用は正解だった

「取らぬ狸の皮算用」

これって一般的には、ネガティブな言葉として

使われていますが、

「取らぬ狸社長の皮算用」は正解です。

どういうことか…

電卓って使っていますか?

卓上電卓でも、iPhoneの電卓でも電卓を使う

習慣をつけていますか?

今回は、電卓についてお話をしたいと思います。

社長の必須アイテム。それはズバリ電卓。

僕の机の横にはいつも電卓がある。

こんな感じ。

僕は3年間会計事務所で勤務して依頼、

電卓をたたくのがスーパー速いのだ。

そんなことはさておき、この電卓。

ちょっとした確認のときによく使う。

例えば、事業の企画のときには

必ず電卓を弾くのだ。

昔で言う、「算盤(ソロバン)を弾いて、採算を計算する」

ようなものだ。

新しい事業を計画したり、コンサルを

やるときは、ヒアリングしながら、必ずこの

電卓を弾くのだ。

つまり、まだ取っていないのに、現実化していないのに、

将来を電卓で皮算用するのだ。

 

具体的な電卓の使い方

では、どうやって電卓をたたくのか。

例えば、先日経営相談の最中にこんな相談をされた。

「お金がないと知人に言ったら、その知人のネットショップを手伝えと言われました。

ぬいぐるみの販売です。ひとつ売れたら、粗利益の30%をやると言われたので、やろうかなと…」

という相談だ。

相談してきた彼は、このネットショップのお手伝いがいくらになるのかの

そろばんを弾いていないのだ。

ただ単に、粗利の3割をもらえるというだけで、この話に乗ろうとしていた。

で、僕は早速電卓をたたく。

僕「写真撮影とかあって結構面倒だから、1日に平均10個の商品を登録できたとするよ〜。月に300個ね。

そんで、その商品の売価が平均3000円だとする。

で、原価はその半分かかるとして…。1つあたりの粗利益は1,500円。仮に月に300個が全部売れたとしたら、45万円の利益。

そこから君には30%の135,000円が入るね…笑」

と、こんな風に会話をしながら電卓を叩いてみるのだ。

彼は、このネットショップの手伝いで勝手に頭のなかで100万円近く入ると思っていたのだ。

 

でも、電卓を叩くと、135,000円。これ、全部売れて135,000円なのだ。

 

話半分になることも多いから、半分売れたとしたら、67,500円しか彼の手元には入らない。

 

ほぼタダ働きなのだ笑。

よくある話

こういった話は、彼の場合だけではない。

例えば、造園の職人さんは一日あたりの日当が

2万円いかない。

でも、周りの人との比較で例えば、

20,000円もらっている職人さんは、気分良く働く。

 

でもな、君。電卓叩いてみたことあるのか?

 

電卓というよりこんなもの暗算で考えたらわかる

奴隷コースなのだ。

 

20,000円/日もらっていても、

1年で働ける日は約300日。

雨とかで現場が中止になることもあるので、せいぜい250日が

仕事のある日だ。

2万円×250日=500万円

これが実際に造園職人さんがもらえる職人としての代金の最大値。

ここから道具代や車両代、ガソリン代、高速代、自宅兼事務所の諸経費、

職人仲間などとのスナックで飲む交際費など様々な経費がでていくのだ。

500万稼いだとしても、実質、給料としては300万円台といったところになっていく。

これでは、贅沢ができないので、職人を雇い、そこからピンはねをして

利益を増していくのだが、仕事ができる職人は高額になるので、

実質ピンハネができず、どうするかというと、

素人を現場に入れて、大きくピンはねをしようとする。

そして、結果、品質の悪い会社になってしまう。

まあ、こんなところだ。

だから最初から電卓をはじいていれば、このような

ビジネスモデルで仕事はしていないはずなのに、電卓も弾かず、

基準が周りとの比較、つまり周りが18,000円しかもらっていないのに、

自分はその周りより1,000円でも多く貰えていればうれしくなってしまう…。

で、会社は赤字。

完全に経営者失格なのだ。

全ての商売に適応できる電卓予測

店舗経営をされている飲食店なんかでも、

この電卓を弾くことは必ずやらなければならない。

座席数と回転可能数と予想稼働率と客単価と利益率。

これをもってその店で予測される売上を、電卓を叩いて予め予測しておくのだ。

稼働率が100%だった場合や20%だった場合など

複数の可能性を電卓で予測しておくことが大切なのだ。

小さい店舗で家賃が安いことは魅力的だが、

そもそもその店舗とその座席数と客単価で

店主の給料と家賃や光熱費が払えるのかを

店舗を借りる前にシュミレーションしておく必要があるのだ。

これもせずに、雰囲気だけで、借りる店舗を決めてはいけないのだ。

成功する人たちは必ずやっている数字のシュミレーション

数字に強い人は、常にこの計算を頭のなかで素早くやっている。

良い癖がついているのだ。

暗算が苦手な社長でも、数字が苦手な社長でも、

この電卓を叩くということは、やっておかなければいけない。

毎月、目標をたてるのはそれはそれで良いことだ。

でもな、その目標。根拠ある?

今の人員、今の座席数、今の施工可能工事数など

今のリソースで目標は達成できますか?

苦手とか、わけのわからん理由でで経営者が数字を

避けていると経営は危機に陥りますよ。

まずは、電卓を叩いてみなさい。

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2 COMMENTS

坂本國繁

昔世話になった社長もいつも電卓をもっていました。その頃会社の前で小さな建物の解体工事が行われていたんです。

(以下の数字は昔の数字でしかも曖昧ですが)

「あの解体工事、もう何日やってる?」「一週間ですかね」

「職人さんたち何人かな」「5人じゃないですか」

ここで社長が電卓をたたいたのです。

(この数字は大昔の数字です)

「あの職人さんの日当が1万円とするでしょう。それで5人でしょう。そして7日だよね。ということはあの人たちの日当だけで35万かかってるよね」

「当然職人さんの日当の他に会社がカネを取るよね。会社が1万取ってるとしたら、あの解体工事は70万だよね。坂本君どう思う?」

「あんな小さな解体工事でもそんなかかるんですね」といったような気がします。

その社長からは他にもいろいろ本当に教えてもらいました。今だに付き合いがある私の大恩人の一人です。

(これは自慢話になるのですが)私に聞く耳がなかったら社長は、あんなにいろいろ教えてはくれなかったと思うのですよ。

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鈴木 しゅん

坂本さん、いつもありがとうございます。
こういったエピソードを聞かせてくれると、ボスマガの読者さんたちにも参考になり、ありがたいです。坂本さんも社長さんに気に入られてたようで、人柄が伺えます。コメントありがとうございます!

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